『VIVANT』で、まさかの「裏切り者」として浮上した公安の野崎守。
第13話では、別班員5人の情報を流し、拉致に関わっていた人物が野崎だったことが判明しました。
これまで乃木憂助と何度も協力し、日本を守るために行動してきた野崎だけに、「本当に野崎さんが裏切ったの?」と驚いた人も多かったのではないでしょうか。
第13話の時点では、野崎自身も別班員なのではないか、別班による潜入作戦なのではないかとも考えました。
しかし、第14話まで見てその考えが変わってきました。
野崎は別班ではなく、やはり最後まで公安なのではないでしょうか。
そして日本を裏切ったのではなく、公安の任務として中国の秘密情報組織へ潜入している可能性が出てきたように思います。
そう考えると、以前から描かれてきた野崎と中国とのつながりや、亡くなったエージェント「リュウ・ミンシュエン」の存在、さらには乃木へ伝えたチンギスについての言葉まで気になってきます。
今回は第14話までの展開をもとに、野崎は本当に裏切り者なのか、その目的について考察してみます。
※この記事には『VIVANT』第14話までのネタバレが含まれています。
VIVANT野崎は本当に裏切り者?
第13話では、別班員5人の拉致事件について大きな進展がありました。
当初は、元公安でテントのモニターでもあった新庄浩太郎が事件に関わっている可能性が疑われていました。
しかし、新庄と彼を匿っていたチョッキーを確保して調べた結果、2人は別班員5人の拉致には直接関わっていなかったことが判明します。
さらに調査を進めたことで、別班の情報を流していた人物として浮上したのが野崎でした。
これだけを見れば、野崎は日本の最高機密ともいえる別班の情報を外国へ売った「裏切り者」です。
しかし、第14話ではその裏に別の目的がある可能性も見えてきました。
野崎が情報を渡していたのは、中国側の秘密情報組織。
そしてそのトップと接触する野崎の様子を見ると、単純に日本を裏切って中国側へ寝返った人物には見えません。
むしろ相手の懐へ入り込み、何かを探っているようにも感じられました。
さらに気になるのが、野崎の上司です。
野崎が本当に日本を裏切ったのであれば、公安にとっても野崎は追うべき人物のはず。
ところが上司は、野崎の行動について何かを把握しているようでした。
だとすれば、野崎の「裏切り」そのものが公安による作戦なのではないでしょうか。

野崎は別班ではなく、やはり公安なのでは?
第13話を見た時点では、野崎自身も別班員なのではないかと考えていました。
世界各地に別班員が存在し、それぞれが表向きの身分を持って活動していることも分かってきたからです。
公安という身分を隠れ蓑にした別班員がいても不思議ではありません。
しかし第14話まで見て、ここには大きな矛盾があることに気づきました。
もし野崎自身が別班員なら、なぜ別班員5人の情報を外国の情報組織へ渡すのでしょうか。
別班は、日本政府が公式には存在を認めていない秘密組織です。
別班員にとって守るべきものは、自分自身の正体だけではないはず。
「別班という組織が存在していること」そのものを外国に知られないようにする必要があります。
それなのに野崎が別班員だとすると、仲間5人の情報を外国へ渡し、別班の存在や情報をさらしたことになります。
潜入のためとはいえ、別班側の人間がそこまで大きなリスクを冒すでしょうか。
そう考えると、野崎は別班ではない。
野崎は最初から最後まで公安の人間。
そのうえで、公安の目的のために別班の情報を利用したと考えたほうが自然に思えます。
別班員5人は中国側への「手土産」だった?
では、なぜ公安の野崎が別班員5人の情報を外国へ渡したのでしょうか。
ここで重要なのが、公安と別班は同じ「日本を守る側」ではあっても、同じ組織ではないということです。
さらに野崎の上司は、別班に対して必ずしも好意的ではないことも示されています。
もし公安が以前から中国側の秘密情報組織を警戒し、その内部へ入り込む機会を探していたとしたらどうでしょう。
外国の情報組織へ潜入するためには、まず相手から信用されなければなりません。
「私は日本を裏切りました」と言葉で言ったところで、簡単に信用してもらえるはずがありません。
そこで野崎が差し出したものが、別班員5人の情報だったのではないでしょうか。
中国側にとって、日本の秘密組織である別班の情報は非常に価値の高いものです。
公安側から見れば、以前から追っていた組織へ潜り込むための、これ以上ない「手土産」が手に入ったとも考えられます。
本物の別班員の情報を渡す。
実際に5人を拘束させる。
そこまでやれば、中国側も野崎を本物の裏切り者だと信用する可能性があります。
つまり野崎が別班員5人を売ったのは、金や保身のためではない。
自分を本物の裏切り者だと信じ込ませ、相手の懐へ入り込むためだった。
野崎は日本を裏切ったのではなく、日本を守るために「別班を裏切った」のかもしれません。
乃木が挙げた「一番可能性が低いケース」が真相?
この考察を考えるうえで非常に気になるのが、第14話で乃木が挙げた一つの可能性です。
乃木は野崎の行動についていくつかのケースを考え、その中で最も可能性が低いものとして、
公安外事第4課そのものが、何らかの作戦を計画・実行している可能性
を挙げました。
「一番可能性が低い」とされたこのケース。
しかし『VIVANT』で、わざわざ乃木にこの可能性を口にさせたことが気になります。
本当にあり得ないのであれば、視聴者にわざわざ選択肢として提示する必要はないようにも思えます。
むしろ「最も可能性が低い」と思わせたものが実は正解、というミスリードなのかもしれません。
野崎の上司が事情を知っているように見えることも合わせると、野崎一人の独断ではなく、公安外事第4課による極秘作戦が動いている可能性は十分ありそうです。
野崎と中国をつなぐリュウ・ミンシュエンの死
さらに気になるのが、野崎の過去です。
野崎には以前、中国で活動していた時期があり、その際に「リュウ・ミンシュエン」というエージェントを失っています。
野崎がリュウ・ミンシュエンの死を今も気にかけている様子だったことも印象的でした。
この過去が、今回の中国側組織とまったく無関係なのでしょうか。
もしリュウ・ミンシュエンの死に、今回野崎が接触している組織やその関係者が絡んでいたとしたら、野崎が危険な潜入任務を引き受けた理由にもつながります。
公安として中国の情報組織を探るという任務だけではなく、
「リュウ・ミンシュエンの死の真相を知りたい」
という野崎個人の思いもあるのかもしれません。
さらに踏み込めば、野崎自身が過去の潜入任務の中でリュウ・ミンシュエンを救えなかった、あるいは何らかの苦しい決断を迫られた可能性も考えられます。
もちろん、ここはまだ想像の部分が大きいところです。
しかし野崎の中国での過去とリュウ・ミンシュエンの死がわざわざ描かれている以上、今後の物語につながってくる可能性はありそうです。
「困ったらチンギスに相談するといい」は伏線だった?
もう一つ、今になって気になる野崎の言葉があります。
乃木が日本を発つ際、野崎は乃木に対して、
「チンギスに相談するといい。何かいい知恵を与えてくれる」
という趣旨の言葉を伝えていました。
その時点では、信頼できる人物としてチンギスを紹介しただけにも見えました。
しかし、野崎がすでにこのとき中国側への危険な潜入任務を予定していたとしたら、この言葉の意味も少し変わってきます。
野崎は、自分がこれから乃木を直接助けられない立場になることを分かっていたのではないでしょうか。
中国側へ潜入すれば、乃木と自由に連絡を取ることはできません。
さらに自分自身が「日本を裏切った人物」として行動する以上、乃木と協力する姿を見せるわけにもいかないでしょう。
だからこそ、困ったときに頼れる人物としてチンギスの名前を伝えておいた。
そう考えることもできます。
そして次回予告と思われる映像には、チンギスの姿も登場しています。
もし今後、乃木が本当にチンギスへ助けを求める展開になれば、野崎のこの言葉が伏線だった可能性も出てきます。
もちろん逆に、乃木をチンギスへ向かわせること自体が野崎の計画だった、という可能性もゼロではありません。
『VIVANT』だけに、まだ完全には信用できないところです。
ただ、野崎が本当に中国側へ寝返ったのであれば、乃木に有能な協力者を紹介しておくことには少し違和感があります。
そのため現時点では、この言葉も「野崎は乃木の敵になったわけではない」ことを示すヒントの一つなのではないかと考えています。
野崎も乃木と同じように死を覚悟して潜入している?
ここまで考えると、野崎と乃木には大きな共通点が見えてきます。
第1シーズンで乃木は、テントへ潜入するために仲間の別班員を銃撃しました。
仲間から裏切り者と思われても、敵から信用されるためには徹底して裏切り者を演じなければならなかったのです。
そして正体が知られれば、命を落とす可能性もある危険な任務でした。
今回の野崎も同じなのではないでしょうか。
中国側の秘密情報組織へ公安の人間が潜入していると知られれば、野崎の命が危険にさらされることは容易に想像できます。
それでも野崎は、本物の別班情報まで差し出して「日本を裏切った男」を演じている。
もしそうなら野崎もまた、乃木と同じように死を覚悟して任務に就いていることになります。
乃木は別班として。
野崎は公安として。
所属する組織も、使う方法も違います。
時には互いの組織を利用し、今回のように別班側から見れば「裏切り」としか思えない行動を取ることもある。
それでも二人の根底にあるのは、
「日本を守る」
という同じ目的なのではないでしょうか。
第13話で「野崎が裏切った」と思わせた展開が、最終的には乃木と野崎がよく似た覚悟を持った人間だったことを描くためのものだとしたら、とても『VIVANT』らしい展開だと思います。
ジャミーンが野崎に懐かない理由は?
そして、まだ残っている謎があります。
第1シーズンから描かれている「ジャミーンが野崎に懐かない」という点です。
ジャミーンは乃木や薫には心を開きましたが、野崎にはなかなか懐きませんでした。
父・アディエルは、ジャミーンには人間の善悪を直感的に感じ取る力があるのかもしれないと話していました。
第13話で野崎の裏切りが判明したときには、「やはりジャミーンは野崎の悪を見抜いていたのでは?」とも思えました。
しかし野崎が公安の極秘任務で動いているのであれば、話は再び変わります。
ジャミーンが感じ取っていたのは「野崎は悪人」という単純なものではなく、野崎が抱えている暗い部分だったのかもしれません。
公安として目的のために人を騙し、時には非情な判断もしてきた野崎。
今回、本当に別班員5人を潜入のための「手土産」にしたのであれば、野崎は決してきれいな方法だけで日本を守っている人物ではありません。
ジャミーンは、そんな野崎の中にある何かを以前から感じ取っていたのでしょうか。
この伏線については、第14話を終えてもまだ答えが出ていません。
まとめ|野崎は日本を裏切ったのではなく公安として潜入中?
『VIVANT』第13話では、野崎が別班員5人の情報を流した人物として浮上し、本当の裏切り者のように描かれました。
第13話の時点では「野崎自身も別班なのではないか」と考えましたが、第14話まで見ると、その可能性は低くなったように感じます。
別班は存在そのものを外国から隠さなければならない秘密組織です。
その別班員が、仲間5人の情報を外国の秘密情報組織へ渡すのは不自然です。
そこで現在考えているのが、
野崎は別班ではなく公安のまま、中国側への潜入任務を遂行している
という可能性です。
別班員5人の情報は、相手から信用を得るための「手土産」だった。
そして公安は以前から中国側の組織を追っており、その組織とつながりを持つ野崎を潜入させた。
そう考えると、乃木が口にした「公安外事第4課そのものが作戦を実行している可能性」や、野崎の上司が事情を知っているように見えることともつながります。
さらに野崎には、中国で活動した過去とリュウ・ミンシュエンの死があります。
乃木に「困ったらチンギスに相談するといい」と伝えたことも、これから自分が乃木を助けられない状況になると分かっていたからなのかもしれません。
そして何より、野崎自身も乃木と同じように、死を覚悟して敵の懐へ潜っている可能性があります。
乃木は別班として。
野崎は公安として。
二人は違う場所から、同じ日本を守ろうとしているのではないでしょうか。
野崎が裏切ったのは日本ではなく、別班だった。
その「裏切り」さえ、日本を守るために必要な公安の作戦だった――。
現時点では、そんな真相が隠されているのではないかと考えています。
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