町田樹（まちだ たつき）さんは、その独特な表現力と哲学的アプローチから「氷上の哲学者」と称された元フィギュアスケーターです。
2014年の世界選手権で銀メダルを獲得し、日本代表としても活躍しましたが、キャリアのピークで突然引退。
その後、フィギュアスケートへの情熱を学問に注ぎ、スポーツ科学者としての道を歩み始めました。
現在は國學院大學の准教授として、フィギュアスケートを「芸術」と「学問」の両面から探究し、スポーツの文化的・経済的な側面を研究しています。
近年は解説者としても活動し、技術や表現の深みを視聴者に伝える存在として注目されています。
本記事では、町田樹さんの現在の活動や学歴、「氷上の哲学者」としての独自のキャリアに迫ります。
町田樹は今何してる？現在の職業は？
町田樹さんは、現在、國學院大學人間開発学部健康体育学科の准教授として教鞭を執っています。
学術的な視点からフィギュアスケートを含む「アーティスティックスポーツ」の研究に取り組み、スポーツの芸術性や知的財産に関わる法的側面など、従来のスポーツ科学にはあまり着目されてこなかった領域で新たな知見を深めています。
フィギュアスケート引退後の進路選択
町田さんが引退したのは2014年、全日本選手権で4位に入賞し、翌年の世界選手権の代表に選出された直後でした。
彼は「競技者としてやりたいことは全てやり遂げた」として、競技からの引退を決断しました。
引退の際には、すでに「学問の道に進む」という強い決意があったといわれており、その後は研究活動に集中するため、2018年にはプロスケーターとしての活動も終了しています。
フィギュアスケート解説者としての活躍
現在、町田樹さんはフィギュアスケートの解説者としても活動しています。
町田さんの解説は技術や戦略面だけにとどまらず、演技の背景にある物語や選手が表現しようとしているテーマについても深く掘り下げるのが特徴です。
フィギュアスケートを単なる競技としてだけでなく、「氷上の芸術」としても捉え、感情表現や振付、音楽の解釈についても独自の分析を行います。
その解説は視聴者からも「深い視点が得られる」と評判です。
フィギュアスケートへの深い造詣と独特の表現力から、町田さんの解説はただの技術的な解説にとどまらず、スケートが持つ美しさや表現力を最大限に引き出すものとなっており、競技そのものへの理解が深まる貴重な機会となっています。
町田樹の学歴は？
町田樹さんの学歴は、関西大学文学部を卒業したのち、早稲田大学大学院スポーツ科学研究科に進学し、博士課程を修了しています。
彼はフィギュアスケートを単なるスポーツではなく、学問的な視点で分析し、研究する姿勢を持っています。
以下、彼の学歴について詳しく見ていきましょう。
関西大学での学び
町田樹さんは、競技を続けながら関西大学文学部総合人文学科で学び、2015年に卒業しました。在学中はフィギュアスケートに専念しながらも、学問に対する強い関心を持ち続け、文学や芸術に対する造詣を深めていたといいます。
このときから、彼は「スポーツと芸術の交わる領域」に興味を持ち、これが後に大学院での研究テーマへとつながっていきました。
早稲田大学大学院でスポーツ科学を究める
関西大学卒業後、町田さんは早稲田大学大学院スポーツ科学研究科の修士課程に進学。
スポーツ科学を専門的に学び、フィギュアスケートを学問的に理解するための基礎を築きました。
このときの修士論文では、フィギュアスケートの著作権や産業面での影響についても研究しており、競技を取り巻くさまざまな社会的要素に目を向けていたのが特徴です。
修士課程修了後、町田さんは博士後期課程にも進学し、「アーティスティックスポーツのマネジメント」をテーマに学際的な研究を行いました。
博士課程では、フィギュアスケートを含むアーティスティックスポーツの文化経済学や知財法に関する研究を行い、2020年に博士号（スポーツ科学）を取得しました。
この研究により、フィギュアスケートを競技だけでなく、文化や経済の視点からも捉え、学問的な価値を見出すことに成功しています。
國學院大學で准教授に昇進
博士号取得後の2020年、町田さんは國學院大學人間開発学部の助教に就任し、2024年には准教授に昇進しました。
准教授として、スポーツと芸術が交わる「アーティスティックスポーツ」の分野をさらに研究し、後進の育成にも取り組んでいます。
また、文化経済学やスポーツマネジメントに関する講義も担当し、研究者としても着実にキャリアを重ねています。
まとめ
町田樹さんは、フィギュアスケートの競技者として華々しい成績を残した後、学問の道へと進み、スポーツ科学者として新たなキャリアを築いています。
関西大学、早稲田大学大学院での学びを通じて、フィギュアスケートの芸術的・学術的な価値を追求するようになり、現在は國學院大學で准教授として教育や研究に携わっています。
さらに、フィギュアスケート解説者としての活動も続けており、競技の奥深い側面を視聴者に伝えることで、スケートの魅力を広める役割も果たしています。
町田さんの独特なキャリアは、フィギュアスケートが持つ可能性を示すと同時に、スポーツと学問、芸術の結びつきが生み出す新たな価値を体現しています。
今後も研究者として、そしてフィギュアスケートの魅力を伝える解説者としての活躍が期待されるでしょう。
