脱毛サロンが破産した場合、顧客は未消化の施術や支払済みの料金に関して不安を抱くことが多いのではないでしょうか。
本記事では、サロン破産時の返金の可否や未消化の施術回数の取り扱いについて詳しく解説します。
脱毛サロンが破産したらお金は戻るのか？
脱毛サロンが破産手続きに入ると、顧客が支払った前受金の返金は非常に困難になるのが一般的です。
破産手続きでは、債権者（顧客を含む）に対して残存資産が公平に分配されますが、負債総額が資産を大きく上回る場合、全額の返金は期待できません。
例えば、2024年12月に破産手続きに入った「アリシアクリニック」の場合、負債総額は約124億7,000万円、債権者数は約9万1,818名に上りました。
このような大規模な負債では、個々の顧客への返金は極めて難しい状況です。（まだ今後についての詳細情報が発表されていないので、今後の状況は見守らなければならない状況です）
また、過去の事例として、2023年に破産した「銀座カラー」の運営会社でも、債権者が約10万人に上り、同様に返金が困難なケースが報告されています。
このように、サロンの破産時には、未消化の施術分の返金を受けることは非常に難しいのが現実です。
脱毛サロンが破産したら残り（未消化の施術回数）はどうなるのか？
未消化の施術回数については、破産手続きの進行状況や他社による事業引き継ぎの有無によって対応が異なります。
1. 他社による事業引き継ぎが行われる場合
過去の事例では、破産したサロンの事業を他社が引き継ぎ、顧客が未消化の施術を継続できるケースもあります。
例えば、「エターナルラビリンス」の破産時には、「ミュゼプラチナム」が一部顧客に対して優遇措置を提供し、追加料金を支払うことで施術を継続できるようにしました。
施術はできるけど、追加料金は発生したんですね。
2. 引き継ぎが行われない場合
他社による事業引き継ぎが行われない場合、未消化の施術を受けることは困難です。
この場合、顧客は破産手続きの中で債権者として返金を求めることになりますが、前述の通り、返金額は期待できないことが多いです。
脱毛サロンが破産などのニュースが入ったらすること
ご自身の、まだ施術途中である脱毛サロンなどが破産や倒産などのニュースを受けたらまず、確認することをまとめます。
1. 契約内容の把握
まず最初に契約書を確認し、契約内容を正確に把握しましょう。以下の3点を中心にチェックしてください：
- 契約期間：契約開始日と終了予定日を特定します。
- 総支払額：支払済みの金額を明確にします。
- 支払い方法：現金払いか、クレジットカード払いかを確認します。
これらの情報は、後に消費生活センターや関係機関に相談する際に必要となる重要な資料です。
2. 前受金保全措置の有無を確認
契約書の中に「前受金保全措置」に関する記載がある場合は、返金を受け取れる可能性があります。
この場合、記載されている金融機関に速やかに連絡して、具体的な手続きや状況を確認しましょう。ただし、多くのサロンではこの措置が適用されていないのが現実です。
3. クレジットカード会社への相談
クレジットカードで支払いをしている場合、引き落としの停止を交渉できる可能性があります。特に未払い分が残っている場合は、早急にカード会社に問い合わせをしてください。
- 注意：支払い停止が認められるかどうかは、カード会社の判断によります。他者の体験談やインターネット情報に頼りすぎず、必ず自分で確認し、カード会社の指示に従って手続きを進めましょう。
4. 消費生活センターへ相談
現金払いで返金が難しい場合や、カード会社で引き落とし停止が認められなかった場合は、消費生活センターに相談するのが有効です。専門のアドバイザーから無料で助言を受けられ、次に取るべき行動が明確になります。
- ポイント：事前に契約書を用意しておくことで、相談がスムーズに進みます。また、居住地域のセンターに連絡する必要があるため、住所の確認が求められる場合があります。
全国の消費生活センターの情報は、国民生活センターの公式ウェブサイトで確認できます。
緊急時には、こちらのサイトから最寄りの窓口を探し、連絡を取りましょう。
まとめ
脱毛サロンが破産した場合、支払済みの料金の返金や未消化の施術回数の継続は非常に難しいのが現状です。
そのため、契約時には前受金の保全措置が取られているかを確認することや、信頼性の高いサロンを選ぶことが重要です。
サロンの破産や倒産は予期せぬ困惑を引き起こしますが、冷静な対応を心がけることで、さらなる損失を防ぐことが可能です。
契約書の確認、クレジットカード会社への相談、消費生活センターの利用など、状況に応じた行動を取ることで、リスクを最小限に抑えましょう。
